コラム

めくるめくウズとの日々 Vol.3

医学博士&獣医師の佐々木先生が綴る犬のおはなし

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愛犬ウズと12年続けているボランティア活動

ワン・フレンズは、私が代表を務める、犬と一緒に老人ホームを訪問するボランティア活動をしている団体です。大阪の普通のおばちゃんとおっちゃんと、普通の家庭犬の集まりです~。犬は2才~15才の様々な犬種の小型~大型犬で、中には、元保護犬もおります。
ワン・フレンズの犬は、セラピーに関する特別な訓練を受けていませんが、人と犬が大好きです。小型犬はご老人の膝の上に座らせていただきます。大型犬や中型犬は、ご老人のそばに佇み、頭や体を触ってもらいます。

私たちのセラピーは、約1時間過ごす間に犬を介して犬の飼い主がご老人とよく話しをするのが特徴です。私たちが長い間施設に通うことで、ご老人が犬を大好きになり、犬が来るのを待っていてくださいます。犬を抱っこしたいと言ってくださいますし、私たちとの話も弾みます。話しかけると、ふだんあまり話をなさらないご老人も、犬の話がきっかけで昔の話を思い出してくださるんです!

時間が来て、「本日はこれで終わります。来月また伺います」と言うと、みなさん笑顔で「ありがとうございました」、「またきてね」とおっしゃいます。

私の愛犬ウズは現在14才ですが、既に12年間ボランティア活動に参加しています。この間に、多くの仲間の犬が亡くなりました。悲しいかな、犬の寿命が人に比べてあまりにも短いためです。

今は、ウズが一番長くボランティア活動をしています。私は、ウズも私も、もっともっとボランティア活動に参加出来るようにと、健康に留意しつつ日々切磋琢磨しておるんです~。

【犬の体のプチ知識】大型犬なら、歯の状態で歳がわかるよ!

犬は、切歯(前歯)の摩耗によって年齢の推測が可能なんです。
1才...犬の切歯はエナメル質に覆われている。
2~3才...下あごの6本の切歯で、歯の頭部分のエナメル質がすり減り、ゾウゲ質が出現。
6才...切歯以外でも下あごの左右の犬歯の頭の部分のエナメル質がすり減り、ゾウゲ質が出現。
10才...下あごの8本の歯に加えて、上あごの一番内側の左右の切歯の頭のエナメル質のすり減りが見られる。
このような経年変化がわかっています。ただし、これは中長頭型の大型犬のみに当てはまるもの。保護犬などで、年齢がわからない時の目安になりそうですね。

参考:『楽しい解剖学 ぼくとチョビの体のちがい 第2版』学窓社


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イラスト・文佐々木文彦 先生

大阪府立大学名誉教授、医学博士、獣医師。
愛犬はウズくん(オス/14才/ビーグル)
おもな著書は「楽しい解剖学 ぼくとチョビの体のちがい 第二版」(学窓社、2018)

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